ウェルビーイング活動とは

ウェルビーイング活動・京都とは

ウェルビーイングとは

ウェルビーイング(well-being)とは、持続的な幸福であり、WHO(世界保健機構)の健康の定義では、病気や虚弱の有無ではなく、⾝体・精神・社会的にも満たされた状態(well-being)であると説明しています。

ウェルビーイング活動とは

⽣活やQOLを豊かにすることを⽬的とした、からだやこころ、社会もより良い状態をめざす健康的な活動を意味します。

ウェルビーイング活動・京都のサイトでは

リハビリテーションに関わる作業療法⼠(Occupational Therapist;OT)の視点から、京都の名所・旧跡地図を利⽤した過ごし⽅をご紹介します。京都の歴史的⽂化財や⾃然に触れることを通して、からだやこころの健康だけではなく、地域社会の持続可能な発展や⼈と環境の共存を考える機会になると考えています。

OT;Occupational Therapy 作業療法とは

からだとこころのリハビリテーションです。⽇本作業療法⼠協会の定義は、「作業療法は、⼈々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で⾏われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である.作業とは、対象となる⼈々にとって⽬的や価値を持つ⽣活⾏為を指す.」と説明しています。

UD;Universal Design ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、性別や年齢、体格、国籍や⼈種、障害の有無などに関わらず。全ての⼈に利⽤できるように意図してデザインする考えです。ロナルド・メイス博⼠が中⼼となって提唱し、1980年代に世界に広まりました。ユニバーサルデザインは、バリアフリーの考え⽅に加えて、誰でも利⽤しやすい、モノや道具、設備や環境、情報やサービス内容も含まれます。

Web公開に至る経緯

2011年より、パーキンソン病の方を対象に京都の名所・旧跡を訪問するリハビリテーションの研究を行なってきました。日常とは異なる特別な場所を訪れることは、身体だけではなく精神面にも作用し、Quality of Life(QOL)に影響力があることがわかりました。 この背景には、施設の自然や旧跡・建物などが整備されており、訪問者が安心して過せる環境であること。さらに、美しい景色や珍しいもの、水琴窟や鐘楼の音、植物の匂いといった非日常空間が拡がり、感動や満足感が得られます。すなわち、名所・旧跡を訪問する活動は、当事者をはじめ、ご家族や保健・医療・福祉関係者、ご自宅から名所・旧跡を含む地域社会においても、相互に刺激や共感をもたらし、エンパワメントを育むことにつながります。

これまでの研究では、訪問する人の希望や体調に対応できるかどうか、事前に、名所や旧跡のバリアフリー設備やユニバーサルデザイン(Universal Design;UD)を取り入れた環境要素についてリハビリテーションの観点から把握してきました。これらの蓄積した情報は、車いす利用者や歩行・移動が不自由な人だけではなく、子どもから高齢者、外国人といった多種多様な人のQOLを高める名所・旧跡を訪問するウェルビーイング活動として利用できます。

このWebでは、京都の名所・旧跡地のご協力をいただき、施設や地域のバリアフリー・ユニバーサルデザイン(UD)を含む環境要素についてインフォグラフィック化した地図を作成し、おすすめのウェルビーイング活動を紹介します。 地図に使用している 絵記号の一覧はこちらです

本Web公開は、JSPS科研費JP23614029;観光資源を利用したパーキンソン病の人のリハビリテーション効果についての研究(2011-2016)、JSPS科研費JP16K02093;観光資源を活用したパーキンソン病の人のリハビリテーションへの応用(2016-2022)の助成を受けたものです。

関連文献

"車いすで京都観光「脳が活性化、運動機能も上がる」健康増進につながる効果",京都新聞
manako 佛教大学研究活動報: 京都の豊かな名所・旧跡をリハビリテーションに役立てる
京都の観光地訪問によるパーキンソン病の人のリハビリテーション効果

Web企画者について

赤松智子:佛教大学保健医療技術学部教授、作業療法士、福祉住環境コーディネーター

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